グローバリゼーション=アメリカナイゼーション

 さて、日本を考える上でアメリカは欠かせない国であり、それは他国にも言えることだと感じる。僕が大学で学んだことや個人的に読み進めた書籍を通じて、アメリカという国と世界に関して述べてみたいと思う。

 第2次世界大戦が集結してからの世界は、誰もが口をそろえて言うだろう。アメリカの時代だと。確かに、冷戦という大きなターニングポイントはあったが、限りなくアメリカ主導に拠るものだったと個人的には感じる。最終的にはソ連の自滅に等しいのだろうが、それもアメリカの圧倒的な力無しには起きなかった事態だと思う。

 さて、冷戦が終わり21世紀も気づけば15年を過ぎようとしているが、超大国アメリカの立場は揺るぎないものだと思える。事実、アメリカが制御しようとしている分野は限りなく全てと言えるし、それを追求していることは間違いない。身近なところで言えばコカ・コーラ、マクドナルドやGAP、FOREVER21等を例とするファストアイテムを中心とする資本(自由)主義の強制だったり、強力な軍事力を利用して世界中で米軍が目を光らせる環境を築いている。

 ただ、最近では中国の台頭も著しい。私的な話になるが、僕はビジネスや私用で海外に行く機会が比較的多いのだが、特にフィリピンに於いての中国の進出は相当なものと感じる。タクシーの運転手から聞いたのだが、確かテレビ局の一社を中国系企業が完全に牛耳っていたり、メガモール(首都マニラはこの手のモールが日本の比じゃない位あらゆるところにある。)の母体の何社かはやはり中国企業の資本とのことである。その運転手が、「軍事はアメリカ、経済は中国に仕切られているんだと」少し寂しげに言っていたのが印象的だった。

 さて、20年前位にサミュエル・ハンチントンによる「文明の衝突」という書籍が世界中を席巻した。当時僕も読んでみたのだが、何のことやら分からなかったが、今ではだいぶ理解できている。結論から言うと、冷戦後の世界において各地域の文明間での対立が世相となるという彼の世界観は適切だったと言える。特に911や世界中で起きている自爆テロ、はたまた各地域で頻発するクーデターは、文明対文明もしくは文明内の宗教対立が原因であり、それは冷戦以前の西対東のような解り易いイデオロギー対立とは根本的に変容していると考えられる。

 尚、宗教を語ることは極めて複雑で、僕自身も未だ知識不足の為ここでは多くは語るつもりはないが、文明≒宗教と捉えることは間違いではないと思っており、更に文明内の宗教対立も含めるとまさに世界は混沌としてくると感じている。

 そのような状況下で、アメリカが今後どのようなポジショニングを続けていくのか。ソフトパワー、ハードパワーの両面で世界を凌駕し、アメリカ化する時代は終わり、これからは彼らにはバランスを取る役目が求められると思う。間違っても共和党時代のネオコンによる単独主義には戻ってはならない。ただ、アメリカ国民もその事をよく分かっているため、おそらく次回の総選挙も民主党が勝利するだろう。

 日本もそのアメリカに追従するだけなのか、もしくは助言できる立場になることができるのか。それは安倍政権次第といえるだろう。目下のところ、安倍首相は世界各国で精力的に外交活動をしており、これは世界における日本の立場を改善することになるだろう。そして結果的に米国との関係性も深まり、ひいては平和主義を前提とした軍隊保有国日本を築きあげることに繋がるとも考えられる。

 アメリカ中心の世界は今後も揺るぎないが、絶対的な力を持ち合わせているわけではない。逆に言えば、その状況を維持することが寧ろ必要なだと思う。唯一アメリカと本気で闘った経験を持つ日本という国だからこそできる貢献を通じて、よりよい世界が導かれることを心から願っている。