還元主義的思考に関して

今回は世間で一般的な還元主義的思考に関しての私見を述べてみることにします。還元主義とは因果関係がある事が全てであるとする考え方です。もっというと、原因と結果のつじつまがあわないものは認められないということです。「何だ、そんなの当たり前だ」と思う方も多いでしょうが、それが既に還元主義の術中にハマっているわけです。これは西洋近代に生まれた考え方で、何でもかんでもその対象を分析し、できる限り小さな要素まで分解し、解明する。まさに近代医療に顕著だと感じます。

何故このようなテーマにしたかというと、以前にテレビ番組で観た内容に起因します。あるアーティストの経営するラーメン屋が取り上げられていたのですが、ラーメンの美味しさをその道のプロがチェックするシーンで僕は違和感を覚えました。ある道具を使っていたのですが、皆さんは何を使っていたと思います?

答えは、

・重量測定計(ラーメンの重さを測るため。)
・濃度測定計(ラーメンの塩分、濃さを測るため。)

でした。※正しい名称を覚えていないので、間違っていたらご指摘頂きたいです。
つまり、味覚という人間の感覚ではなく、機械を用いてそれが売れる商材かを分析していたわけです。そしてそれが今流行りだとのことです。

本来食というのはその人が口にして心から美味しいと思えるモノが出来上がることが醍醐味であり、料理人と消費者がwin-winになる黄金律のはずです。それが塩分が何%で重さが何グラム以上無ければ売れないという訳の分からない根拠を持ちだされてしまうと美味しいものすら美味しく無いと感じられなくなります。

欧米人と比べて、日本人は本来このような「科学が絶対」というマインドではないと思います。身近なところでいえば、蛙が鳴くと雨が降るとか難の科学的根拠もないのですが、僕達日本人の感覚からすると合点が行く。もっと言うとお盆に先祖が帰ってくることも、欧米の人間からするとそんな非科学的なことがあるわけ無いと思っているでしょうが、実際その時期になるといつもと違う雰囲気を感じたりもするわけです。

先ほどちょっとだけ触れた医療に関しても、原因を特定するために病院に行ったものの、見つけることはできなかった。だから病名はわからないという話をよく聞きます。でも、何故か体調は良くない。これがまさに西洋で生まれた科学=還元主義の限界だと僕は思います。人間をもモノと捉えて原因を分析するのではなく、一人の個と考えて総合的に見ていけば、自ずと答えを導き出せるのです。漢方薬はその要素が大きく、身体の不調な部分を改善するために一人ひとりの身体にあった薬が調合されます。効き目は遅いかもしれませんが、寧ろそれが自然なわけで、即効性を求めてしまう現代の生き方が不幸と感じざるを得ません。


さて、話が脱線しつつありますのでまとめます。日本人として大切なことは、西洋と東洋の中立的な立場として、過度に科学を肯定するのではなく、昔ながらの非科学(西洋的に言えば)な考え方も大切に持ちあわせて生きていくことが、人生を楽しむ秘訣なのではないかなと思っています。

僕は高校時代からこのようなリベラルアーツ的思考に端を発する西洋文化と東洋文化の対比に興味を持ってきました。いわゆる学際という学問です。専門家として一つのことを学ぶのも勿論大事ですが、自然、宗教、科学、芸術等あらゆることを体感し、経験としての知恵を持つことが本来人間としてあるべき姿だと思っています。

今後、そのような視点もブログに落としこんでいければと思っています。

最後に今回引用した文献を紹介して終わりとします。


①大学受験に強くなる教養講座
②断片と全体