こんな方におすすめ
- 職場での人間関係に悩み、辞めるべきか迷っている人
- 女性が多い職場に違和感や居心地の悪さを感じたことがある男性
- 陰湿な職場文化やモラハラに心を削られている人
目次
たった1ヶ月だったけれど、心の限界を感じるには十分すぎる体験だった
ホテルの夜勤バイトを始めたとき、まさか1ヶ月足らずで心が壊れそうになるとは思っていませんでした。勤務内容自体はそれほど難しいものではなく、ルーティンも比較的単純。しかし、現場の人間関係や空気感は想像をはるかに超えており、精神的なストレスが蓄積される一方でした。毎日、出勤するたびに感じる胸の重さ。仕事が始まる直前、駅のホームで深呼吸を何度もしなければ動けない状態。自分でも「大げさかな」と思いながら、でも確かに体も心も限界に近づいていたのです。働く環境というのは、業務内容だけでなく、そこで関わる“人”や“空気”が何よりも大きく影響する。そんな当たり前のことを、身をもって痛感させられた体験でした。
今振り返ると、「逃げてよかった」と心から思えます。当時は、辞めたら迷惑がかかる、自分が弱いのではないか、と無理にでも続けようとしていました。でも、心が壊れるまで我慢することに意味はありません。どんな職場でも、最低限のリスペクトと安心感がなければ、人はまともに働くことすらできない。辞めたことでようやく深呼吸ができるようになり、自分の感覚を取り戻すことができたのです。
【女性が多い職場の現実】質問も雑談も“空気を読まない新人”扱いされ、居場所がなかった
職場には私以外ほとんどが女性スタッフで構成されており、独特な人間関係のネットワークが存在していました。私は早く仕事を覚えたくて、先輩方に積極的に質問したり、ちょっとした雑談を交えて関係を築こうとしましたが、それが逆に“馴れ馴れしい”“空気が読めない”と受け取られてしまったようです。特に、ある一定のグループが形成されていて、その中に馴染めない新人は「何をしても浮く」構造になっていたのです。
それでも最初は「そのうち慣れるだろう」と思っていました。しかし、業務が終わったあとの無言の時間、休憩室での微妙な距離感、ちょっとしたことを聞いても「それ、前に言ったけど?」と冷たく返されるたびに、「私はここにいてはいけないのかもしれない」と思うようになっていきました。自分が“異物”のように扱われていると感じる空間に、毎晩飛び込んでいくのは本当に辛いものでした。誰も私のことを知らず、知ろうともしない空気の中で、心だけがどんどん摩耗していくのがわかりました。
【期待から失望へ】仲良くなれるかもと思った指導者が、まさか一番の“攻撃者”になるとは
夜勤の業務を教えてくれた担当女性には、最初こそ安心感を持っていました。「ちょっと言い方はきついけど体育会系の自分なら大丈夫だろう。」「きっと丁寧に教えてくれるはず」そう期待していたからこそ、最初のうちは彼女に対して自然体で接することができていたと思います。しかしある日を境に明らかに“態度”が変わったのです。
それまで普通に会話していたのに、急に無言になる、目を合わせてくれない、こちらの報告には相槌すら返ってこない──そんな変化が一気に押し寄せました。しかも、私のいないところで「使えない」と言っているのを耳にしてしまったとき、心が一気に冷えました。「何が悪かったんだろう」と悩み続け、自分を責める日々。でも、今思えば、彼女の中にある“気まぐれ”や“感情の波”に巻き込まれただけだったのかもしれません。
【指導という名の排除】些細なミスを糾弾し、自分を守る為にこちらを使い捨てるやり方
どんなに気をつけて仕事をしていても、人間ですからミスは避けられません。ですが、その職場では新人の些細なミスが、まるで“重大インシデント”のように扱われました。たとえば、報告の順番を間違えた、備品の場所を尋ねたといった程度のことでも、「なんで覚えてないの?」「前に教えたよね?」と強い口調で責められ、それがさらに上司に伝わり、まるで私が全体の仕事を停滞させているかのようxな空気が流れるのです。
私は次第に「何も聞けない」「何も言えない」状態に陥り、確認したいこともできなくなりました。その結果、さらに小さなミスが発生し、また叱られるという悪循環に。ふと気づいたとき、彼女は“教える”という建前のもと、自分の責任を回避するために、私を“使い捨ての新人”として扱っているのだと悟りました。
それが明確になったのは、ある夜、彼女が他のスタッフに向かって「次の新人は、もうちょっとマシだといいけどね」と笑いながら言っていたのを聞いたときです。その一言で、私の中の何かがぷつんと切れました。ここにいても、何をしても、私は“ただの代わりのきく存在”でしかないのだ、と。
【仕事を取り上げられる恐怖】“何もしなくていい”という言葉の裏にある冷酷な排除
「もうあなたは何もしなくていい」
その一言を聞いた瞬間、私の中で何かがひどくひび割れたのを覚えています。怒鳴られたわけでも、直接的な罵倒を受けたわけでもない。ただその言葉には、はっきりと「お前はもういらない」というメッセージが込められていたのです。
この言葉をかけられたのは、ホテルの夜勤バイト。仕事内容自体はシンプルで、業務を覚えることに特別なスキルは必要ありませんでした。しかし、最も厳しかったのは“人間関係”と“空気”。まるで見えない地雷が無数に仕掛けられたような職場でした。
質問すれば「それ前にも言ったよね」、無言で動けば「なんで勝手なことしてるの?」、そして最終的には「何もしなくていい」と言われる。これは指導ではなく、排除でした。まるで「あなたが動くと問題が起きるから、ただ静かに座っていてくれ」と言われているようで、心がどんどん摩耗していきました。
ラグビー部での“体育会系”とは質が違う、じわじわと精神を削る職場の陰湿さ
高校から大学までラグビー部に所属していた私は、ある程度の理不尽や厳しい上下関係には慣れていると思っていました。怒鳴られる、走らされる、時に悔し涙を流すような練習も経験してきました。
しかしこの職場で感じたのは、まるで別次元の“重さ”でした。怒鳴るわけでも、明確に叱るわけでもない。それどころか、表面上は「普通に接している風」を装いながら、じわじわと無視され、皮肉を言われ、無力感を植え付けられていく。気がつけば、「私が何かを言えば迷惑がかかるのではないか」という不安ばかりが心を占めていました。
ラグビーのような肉体的ストレスよりも、こうした精神的圧迫の方が人間の根幹を揺さぶります。自分という存在が、少しずつ薄く、無価値になっていくような感覚。いまだに夢に出てくるほど、強烈な記憶です。
心の限界は“ある日突然”やってくる──そして私は辞めた
1ヶ月という短い期間でしたが、その間に蓄積された心の負荷は、ある朝突然限界を迎えました。夜勤明け車に乗った瞬間に思いました。
「もう無理だ」
不思議なことに、涙は出ませんでした。怒りも、悲しみもない。ただただ、「このまま続けたら、自分が自分じゃなくなる」という恐怖に支配されていたのです。そのまま携帯を取り出し、派遣会社に電話し、「本日で辞めさせてください」と告げました。理由を聞かれても、うまく説明はできませんでした。けれど、自分の中では100%の確信がありました──これ以上ここにいたら、自分が壊れる。
【最後に】あなたの心が壊れてしまう前に──選んでもいい「辞める」という選択肢
今、この記事を読んでいるあなたが、職場の人間関係に悩み、心がすり減っているとしたら──無理して続ける必要はありません。限界が来る前に、“辞める”という選択肢を取っていいのです。
辞めることは、決して恥ではありません。むしろ、勇気ある行動です。誰かに「甘えてる」と言われても、自分の心の声を信じてください。今、あなたが最優先すべきは「心の安全」です。
この体験が、少しでも誰かの背中をそっと押すことができたなら──私はこの文章を書いてよかったと思えます。