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ビジネス成功の鍵!中国から日本へ最適な輸送手段を選ぶための3つの手段とは?

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

こんな方におすすめ

  • 輸入・輸出ビジネスを行っている企業の経営者や担当者
  • 物流・サプライチェーン管理に携わるプロフェッショナル
  • eコマース事業者やオンラインショップの運営者

中国と日本は、経済的にも文化的にも深いつながりを持つ重要なパートナーであり、日中間の物流はその関係を支える柱の一つです。近年、国際貿易の活発化やeコマース市場の拡大により、効率的な輸送手段の選択は企業や個人にとってますます重要になっています。一方で、輸送方法にはそれぞれの特性や制約があり、貨物の種類や緊急度、コストに応じた最適な選択が求められます。特に、海上輸送、航空輸送、そして国際宅配便といった主要な輸送手段は、それぞれ異なるニーズに応えるものです。

本記事では、これら3つの輸送手段に焦点を当て、特徴、メリット・デメリット、そして適した利用シーンをわかりやすく解説します。輸送方法の選択は、企業の効率化や消費者満足度の向上に直結する重要な決定事項です。これらの情報が、日中間で輸送を検討している方々の参考になり、より円滑で効果的な物流を実現する一助となれば幸いです。

1. 海上輸送:大量輸送に最適な選択肢

海上輸送は、大量の貨物を比較的低コストで運ぶことができる輸送手段として、日中間の物流で広く利用されています。中国と日本を結ぶ海上輸送は、歴史的にも長い関係を持ち、多くの航路が開設されています。輸送には、コンテナ船を使った輸送や、トラックごとフェリーで運ぶ方法があります。それぞれの特性を理解することで、輸送の効率を最大化することが可能です。

特徴とメリット

  1. コスト効率が高い
    海上輸送は、大量の貨物をまとめて輸送するため、単位あたりのコストが非常に低いのが特徴です。特に重量物や大型商品では、航空輸送や宅配便と比較して圧倒的に経済的です。
  2. 環境負荷が低い
    他の輸送手段に比べて、CO2排出量が少ないため、環境への負荷が低い点も注目されています。持続可能な物流を目指す企業にとって魅力的な選択肢です。
  3. 多様な貨物に対応
    コンテナの種類も豊富で、通常のドライコンテナ以外に、冷蔵・冷凍コンテナやタンクコンテナも利用可能です。これにより、食品や液体、危険物など、多様な貨物を安全に輸送できます。

デメリットと課題

  1. 輸送時間が長い
    中国から日本への海上輸送は通常数日から1週間以上かかります。特に緊急性が高い貨物には向いていません。
  2. 天候や港湾状況の影響を受けやすい
    台風や悪天候、港湾の混雑が発生すると遅延のリスクが高まります。事前のスケジュール調整やリスク管理が必要です。
  3. 手続きが煩雑になる場合も
    国際輸送において、関税や書類の準備が求められるため、初心者には煩雑に感じられることもあります。適切なフォワーダーのサポートが重要です。

具体的な利用ケース

  • 家具や機械設備などの大型商品
    これらは海上輸送のコストメリットを最大限に活かせる貨物の一例です。重量やサイズに制限が少ないため、まとめて輸送が可能です。
  • 化学品や液体貨物
    特殊なタンクコンテナを利用することで、安全かつ効率的に輸送できます。
  • 低コストが求められる一般貨物
    緊急性が低い場合、コスト削減を最優先にした輸送が可能です。

物流効率化のヒント

  • LCL(小口貨物)輸送の活用
    自社だけでコンテナを満たす量がない場合、他社とコンテナをシェアすることで、コストを削減できます。
  • フォワーダーの選定
    経験豊富なフォワーダーを選ぶことで、通関手続きや書類作成をスムーズに進めることができます。

私の経験談

某100円ショップメーカーの卸売業者の営業担当をしていた時がほんの一瞬ありましたが、その時の記憶を思い起こすと確かに海上輸送というのは一度に入る量が半端ないなというのが最初の印象です。運送会社の倉庫と契約していたので、基本的に港に陸上げされたら直で陸曹してそこでデバンニングされるわけですが、1コンテナの中に入った箱を男10人以上で1時間位掛けてひたすら下ろし続けるという作業。その後、フォークを使って商品毎に並び替え、その日や近々発送予定のものは近いところに、それ以外のものは奥に、と分けていく流れでした。

また、船便の遅延もしょっちゅうあリました。特定のエリアを経由する航路になると、既に待っている貨物があるため必然的に遅延してしまうようで、それをシッパー側に言うと船賃が合わなくなる、と言う話で結果、一度に沢山発注して取引先の欠品を如何に起こさないようにするか、と言うのが対策でした。が、毎度毎度欠品してましたがね・・・。売れ筋商品でしたから笑

2. 航空輸送:スピードを重視した輸送

航空輸送は、スピードと安全性を兼ね備えた輸送手段として、特に緊急性の高い貨物や高価値商品を扱う際に利用されます。中国と日本の間では、多くの空港間で貨物便が運行されており、ビジネス環境やeコマースの発展に伴い、その重要性がますます高まっています。航空輸送の特徴を理解することで、最適な物流戦略を構築することができます。

特徴とメリット

  1. 迅速性 航空輸送は、他の輸送手段と比較して圧倒的に速いのが特徴です。中国から日本への配送では、最短で1~2日以内に目的地へ到着します。急ぎの納品や締め切りがあるプロジェクトで重宝されます。
  2. 安全性 航空輸送は、輸送中の衝撃が少なく、盗難や損傷のリスクが低いため、精密機器や高価値商品に適しています。また、荷物の取り扱いが厳格に管理されており、貨物の状態を良好に保つことが可能です。
  3. 柔軟性 温度管理が必要な貨物(医薬品、生鮮食品など)に対応する冷蔵・冷凍サービスや、危険物輸送の規制に準じた取り扱いも可能です。多種多様なニーズに応えられるのも大きな利点です。

デメリットと課題

  1. 高コスト 航空輸送は、スピードや安全性を確保するためのコストが高く、海上輸送の数倍に達する場合もあります。小型・高価値商品では費用対効果が高いものの、大量貨物では割高になるケースが多いです。
  2. サイズ・重量制限 飛行機の積載容量には限りがあり、重量やサイズに厳しい制限があります。大型商品や重量物の輸送には不向きです。
  3. 天候や空港の状況に左右される 航空輸送は天候や空港の混雑状況に大きく影響を受けるため、遅延のリスクがゼロではありません。緊急性が高い場合には、リスク回避のためのバックアッププランが求められます。

具体的な利用ケース

  • 高価値商品(電子機器、貴金属など) 高い安全性と迅速性を求められる製品は、航空輸送が最適です。例えば、スマートフォンの部品や完成品の輸送に多く利用されています。
  • 医薬品や生鮮食品 温度管理が必要で鮮度が求められる品目において、航空輸送のスピードと専門サービスは欠かせません。
  • 緊急のサンプル品や試作品 短納期で届ける必要がある試作品やプロジェクト関連の素材輸送にも適しています。

物流効率化のヒント

  1. フォワーダーの活用 航空輸送に特化した物流業者(フォワーダー)を利用することで、適切な料金プランや貨物スペースの確保が容易になります。
  2. 貨物追跡システムの活用 リアルタイムで貨物の状況を把握できる追跡システムを利用することで、緊急性の高い貨物の管理が効率化されます。

私の経験談

これは私がフォワーダー(国際物流企業)に勤めていた時の経験談です。当時輸入営業兼CS担当ということで、大体担当顧客を20~30社程度担当していました。多くはアジアからの貨物で、基本前日に出荷すれば翌朝にはついているのが当たり前、という大前提で対応するのですが、まぁイレギュラーも起こるわけでフライト遅延(ディレイ)やスプリット(貨物の全てが届かない)なんてことも。

ただ、航空輸送はそれを差し引いてもとにかくスピードが早いので、例えば普段なら海上輸送する貨物をイレギュラーベースで航空輸送に切り替えるお客様もいました。大体到着して1時間ちょい位で「当たりがつく」※業界用語ですが、と実際に輸入通関の手続きに入ることができて、書類は別に原本じゃなくて良いので、事前に現地側からコピーを入手していてそれを通関に回すことで当たりが出たら即許可、みたいなことはザラでした。なので、Door to Doorで言ったら半日位で国内輸送に回せる位のスピード感ではないのかなと思います。

ただ、コストの面がやはり影響してきます。海上コンテナと航空便に載せられる貨物量の差は雲泥の差です。ここでまず輸送コストがまるで変わってきます。それ以外の諸費用についてはそこまで大きくは変わらない(0が違うほどではない)とは思いますが、先述の通り搭載個数がまるで違う事が大きな差異だと思います。

3. 国際宅配便(FedEx、DHL、UPS):ドア・ツー・ドアの利便性

国際宅配便は、FedEx、DHL、UPSといった大手企業が提供する輸送サービスで、個人や企業を問わず幅広い利用者に支持されています。この輸送手段の最大の特徴は、ドア・ツー・ドアで貨物を届ける利便性と、迅速なサービスです。特に中国から日本への小口貨物や緊急配送において、その利便性は他の輸送手段に比べて際立っています。


特徴とメリット

  1. ドア・ツー・ドアのサービス
    発送から配達まで一貫してサービスを提供するため、複雑な物流プロセスを簡略化できます。集荷サービスを利用すれば、荷物の引き渡しも手軽で、倉庫や配送センターに行く手間が省けます。
  2. 迅速な配送
    通常、エクスプレスサービスを選択すれば、翌日から数日以内に届けられます。これは特に緊急の書類や高価値の小型商品に適しています。
  3. 包括的なサポート
    関税手続きや書類の準備、梱包サポート、保険サービスなど、国際配送に必要な業務を一括して提供します。初心者でも安心して利用できる点が大きな魅力です。
  4. 追跡システム
    配送状況をリアルタイムで確認できる追跡システムが完備されており、配送中の不安を軽減します。

デメリットと課題

  1. 高コスト
    他の輸送手段に比べて費用が高い傾向があります。特にエクスプレスサービスでは、少量の荷物でもコストがかさむ場合があります。
  2. 大口貨物には不向き
    小口貨物や緊急配送に適したサービスであるため、大量の貨物や大型商品にはコスト面で非効率です。
  3. サイズや重量の制限
    荷物の大きさや重さに制限があるため、大型貨物や重量物を扱うには別の輸送手段が必要です。

具体的な利用ケース

  • eコマースの個人配送
    海外の顧客に商品を届ける際、ドア・ツー・ドアのサービスが非常に便利です。特にアパレル、アクセサリー、電子機器などの小型商品に最適です。
  • 試作品や緊急のサンプル配送
    開発プロジェクトや商談の際、試作品やサンプル品を迅速に届けたい場合に利用されます。
  • 国際的な書類配送
    契約書や重要書類を安全かつ迅速に届ける際には、国際宅配便が最も適しています。

物流効率化のヒント

  1. 複数サービスの比較
    FedEx、DHL、UPSなど各社のサービスを比較し、料金や配送スピードに応じて選択することでコストを最適化できます。
  2. 契約割引の活用
    定期的に利用する場合、法人契約やアカウントを作成することで割引が適用され、コスト負担を軽減できます。
  3. スケジュール管理
    配送状況をリアルタイムで把握し、納期に合わせたスケジュール管理を行うことで、より効率的な物流が実現します。

私の経験談

FeDEXやDHLのような今ゆるスモールパッケージは、大手企業ではなくまさに我々零細事業者向けのサービスと言って良いと思います。彼らの存在をいまいち理解できない人に説明しておきます。例えばJALとかANAとか日系の航空会社が顧客の貨物を輸入して、そこから自社通関する、と思ってもらえれば良いと思います。ちなみに、私はフォワーダーに勤めていた当時からこれらの会社とも取引がありましたので、貨物確認とかでしょっちゅうやりとりしてましたが、2同様に早い。彼らは混載便というフォワーダーの業務とも関わりがありましたので、到着したら2同様にこちらは輸入手続きをするという流れになりますが、2と3の違いは、3は海外輸送⇨通関⇨国内輸送まで全て自分達で賄うというのがウリなわけです。

実際、ここ数年僕自身も取り扱う荷物が急ぎだったりする場合は大体FedEXかUPSを使うことが多いです。UPSの少し安い。感覚的には現地側のReadyが来てから数日で国内に到着をして問題がなければ通関に入って中1日で到着。ですので遅くとも5日あれば届くかなぁというところです。ちなみに1の船便の場合、2週間が肌感覚ですが中国の旧正月やら何かしらのトラブルが重なるとスケジュールが壊れるのでその辺りは注視しておいた方が良いです。でも、船便のがだいぶ安いのは安いです。3/5位かな。

まとめ

中国から日本への輸送手段には、コストパフォーマンスに優れた海上輸送、迅速性を誇る航空輸送、そして利便性に富む国際宅配便という選択肢があります。海上輸送は大量の貨物やコスト重視のニーズに応え、航空輸送は高価値商品や鮮度が求められる品目に最適です。一方、国際宅配便は小口貨物や緊急配送において、そのスピードとドア・ツー・ドアの利便性が大きな魅力です。

それぞれの輸送方法には独自の特徴があり、どの手段を選ぶかは輸送する貨物の性質や目的、予算によって異なります。物流業界の多様化が進む中、これらの選択肢を理解し、適切に活用することが、効率的で持続可能な輸送の鍵となります。

 

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