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中国工場と揉めたとき絶対にやってはいけない対応【関係が壊れる本当の理由】

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

こんな方におすすめ

  • 中国工場と直接やり取りしており、トラブル対応に毎回神経をすり減らしている人
  • 正しいことを言っているはずなのに、なぜか関係が悪化した経験がある人
  • 中国工場と長く安定して取引を続けたいと考えている人

中国工場と取引をしていれば、トラブルはほぼ確実に起きます。
不良品、数量違い、納期遅延、仕様違い、梱包ミス。どれも珍しい話ではありません。むしろ、トラブルが一度も起きない取引のほうが例外に近いと言えます。

ここで重要なのは、「トラブルが起きたかどうか」ではありません。
本当に差が出るのは、トラブルが起きたときに、どう対応したかです。

多くの人が、中国工場との関係を一度のトラブルで完全に壊してしまいます。
そしてその原因は、品質でも価格でもなく、対応の仕方そのものであることがほとんどです。相手を怒らせた、信用を失った、面倒な取引先だと思われた。その結果、次からレスが遅くなる、融通が利かなくなる、最悪の場合は取引終了になります。

特に、日本側がやりがちな失敗は、「正しいことを言っているのに、なぜか関係が悪化する」というパターンです。
これは、中国工場との交渉が、日本国内の取引とまったく同じ感覚では通用しないことを理解していないことが原因です。

この記事では、中国工場と揉めたときに絶対にやってはいけない対応を具体的に掘り下げます。
どれも感情的になったときほど、ついやってしまいがちな行動です。


見出し①|絶対にやってはいけない対応① 感情的に責める

中国工場とのトラブルで、最もやってはいけないのが、怒りや不満をそのままぶつけることです。
「どうなっているんですか?」「こんなのあり得ない」「何度言えば分かるんですか?」
こうした言葉は、日本国内では“強めの抗議”として成立する場合もありますが、中国工場とのやり取りでは逆効果になることが非常に多いです。

感情的なメッセージを受け取った瞬間、相手は「解決」ではなく「防御」に入ります。
自分の責任を最小限にしようとし、言い訳が増え、話が長くなり、最終的には「それは仕方なかった」という方向に持っていこうとします。これは文化というより、人間として自然な反応です。

さらに厄介なのは、一度「感情的な取引先」というレッテルを貼られると、その後のやり取りがすべて警戒モードになる点です。
こちらが冷静に話していても、相手は常に「また怒られるのではないか」と身構えます。その結果、レスポンスが遅くなったり、必要最低限の対応しかしなくなったりします。

多くの人は、「強く言わないと動いてくれない」と考えがちですが、実務では逆です。
感情をぶつけた時点で、相手は“協力者”ではなく“対立相手”になります。トラブル解決に必要なのは圧力ではなく、協力です。その関係性を壊す行為が、感情的に責めることなのです。


見出し②|絶対にやってはいけない対応② 日本的な正論を押し付ける

中国工場とのトラブルで、次に多い失敗が、日本的な正論をそのまま押し付けてしまうことです。
「普通はこうしますよね」「常識で考えたら分かるはずです」「日本ではあり得ません」
こうした言葉は、こちらとしては“説明”のつもりでも、相手には“否定”や“見下し”として伝わります。

日本では、暗黙の了解や空気を読む文化があり、「言わなくても分かるだろう」という前提が成立します。しかし、中国工場との取引では、その前提はほぼ通用しません。
契約書、仕様書、チャットの文面に書かれていないことは、「決まっていない」と解釈されるケースも少なくありません。

ここで日本的な正論を振りかざすと、話は一気に拗れます。
相手は「それは最初から聞いていない」「そんな決まりはなかった」と考え、議論は平行線になります。どちらが正しいかではなく、文化と商習慣の違いが衝突している状態です。

特に危険なのは、「普通」「常識」という言葉です。
その“普通”が、相手の世界では普通ではない可能性を考慮しない限り、話は前に進みません。
正論を通そうとすればするほど、相手は面子を失い、引けなくなります。結果として、解決よりも意地の張り合いに発展してしまいます。


見出し③|絶対にやってはいけない対応③ 証拠なしで主張する

中国工場との交渉において、証拠なしの主張は、ほぼ相手にされません。
「多い気がする」「品質が悪いと思う」「前よりひどい」
こうした感覚的なクレームは、日本国内ではある程度通じることもありますが、中国工場では通用しないケースが大半です。

相手が求めるのは、感想ではなく事実です。
写真、動画、数量、ロット番号、検品日、開封時の状況。これらが揃っていない主張は、「確認できない問題」として処理されてしまいます。

証拠が曖昧な状態で強く主張すると、「ではこちらでは問題ありません」と返されて終わることも多いです。
この時点で関係が悪化すると、その後にきちんと証拠を出しても、対応が雑になる可能性すらあります。

重要なのは、相手を責める前に、「第三者が見ても同じ判断になる材料」を揃えることです。
感情ではなく、データと事実で話をする。この姿勢がないと、中国工場との交渉は成立しません。


見出し④|関係を壊さずに解決する人の共通点

中国工場とのトラブルを比較的スムーズに解決する人には、共通点があります。
まず、事実と感情を明確に分けて伝えています。「困っている」「残念だ」という感情は添えても、それを主張の軸にはしません。あくまで事実ベースで話を進めます。

次に、必ず代替案をセットで出します。
「全交換してください」ではなく、「次回ロットで調整できますか」「一部返金は可能ですか」といった形で、相手が選べる余地を残します。これは相手の面子を守る行為でもあります。

そして最も重要なのが、「次どうするか」に話を戻すことです。
過去のミスを延々と責めるのではなく、「では次回はどう防ぐか」「今後どういう基準で進めるか」という未来の話に切り替えます。この姿勢を見せることで、相手は「この人とは長く取引できる」と判断します。


まとめ|中国工場との交渉は勝ち負けではない

中国工場との交渉は、勝ち負けを決める場ではありません。
一時的に強く出て得をしたように見えても、その代償として関係を失えば、長期的には大きな損失になります。

一度壊れた関係は、二度と元に戻らないことも珍しくありません。
だからこそ、トラブル時こそ冷静に、工程として、交渉として対応することが重要です。

感情をぶつけない。正論を押し付けない。証拠を揃える。
この基本を守るだけで、中国工場との関係は大きく変わります。

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中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

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転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

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