本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります。 副業あるある 貿易あるある

輸入ビジネスにおける「目利き」と商品選びの考え方

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

こんな方におすすめ

  • 輸入ビジネスを始めたいが、商品選びで迷っている人
  • 好きなことを仕事に結びつけたい副業志向の人
  • 長期的に安定した収益を目指す個人事業主・フリーランス

輸入ビジネスを始めるとき、多くの人が直面するのが「何を仕入れるか」という問題です。SNSやネットでは「この商品で儲かった!」といった情報が氾濫していますが、実際に続けられるかどうかは別の話。20年近く輸入を続けてきた経験から言えるのは、**儲かる商品よりも「自分が興味を持てるジャンル」**を選ぶことが何より重要だということです。

本記事では、僕自身が体験してきた成功と失敗を交えながら、商品選びの考え方や利益が出やすかったジャンルを紹介していきます。これから輸入を始める方や、商品選びに迷っている方にとってヒントになれば幸いです。

1. 興味・関心が続くジャンルを選ぶこと

輸入ビジネスを始めるにあたって、多くの人が「どんな商品を仕入れれば儲かるのか」という疑問に直面します。しかし、実際に20年近く輸入を経験してきて思うのは、最初の段階で「自分が全く興味のない商品」を選んでしまうと、リサーチも仕入れも販売もすべてが苦痛になり、長続きしないということです。例えば音楽が好きな人が、突然工業用のネジやパーツを仕入れるとなったらどうでしょうか。確かに利益が出る可能性はゼロではないかもしれませんが、調べるのも面白くないし、販売ページを作るのも気が乗らない。お客さんから質問が来ても「本当は自分は興味がない」と思っているので、熱心に答える気持ちも湧かないのです。

逆に、自分が趣味で触れている分野や、昔から好きだったことに関連する商品であれば、調べること自体が勉強になり、苦になりません。僕自身はスポーツやアウトドアが好きだったので、筋トレ用品やキャンプ用品を扱うときには自然と商品知識が頭に入ってきました。新しい商品を見つけたときにも「自分でも使ってみたい」と思えるし、レビューや改善点もリアルに書けます。結果として、ビジネスにおいても説得力が出て、販売にもプラスに働きました。だからこそ、「興味がある」「少しは知識がある」「調べても楽しい」と思えるジャンルを選ぶことが、目利きの第一歩だと強く感じています。

2. 最初の経験談:独占販売権モデル

僕の輸入のスタートは、いわゆる「独占販売権ビジネス」でした。展示会に足を運び、まだ日本市場に出回っていない製品を見つけ、交渉をして日本での販売権を獲得するというモデルです。当時は、欧米やアメリカのスタートアップがユニークな製品を開発していて、それをいち早く見つけて契約できれば大きなビジネスになると考えていました。実際に香港の展示会に行き、製品を見て、ブースの担当者と話をし、契約条件を聞いて、最小ロットや初期仕入れの金額についても確認しました。当時はインターネットで情報収集できるとはいえ、やはり現地に行かないと分からない空気感や商談のリアリティがあり、ビジネスの匂いを感じる瞬間はワクワクしました。

しかし、結論から言うと僕はうまくいきませんでした。その理由の一つは、自分のモチベーションが低く「片手間でやってみた」程度だったこと。そしてもう一つは、個人がやるにはリスクと資金の負担があまりに大きかったことです。契約を結んでも、最初から数百個単位の仕入れが必要で、1個数万円の商品ならあっという間に数百万円が必要になります。もし売れ残ったら…と考えると怖さが勝ち、積極的に動けなくなったのです。結果として、そのビジネスは大きな成果を出せないまま終わりました。振り返ると、このモデルは「企業規模」で取り組むからこそ成り立つのだと思います。つまり、すでに商社や輸入業をやっている会社が、プラスアルファのビジネスとしてやるなら効果的ですが、個人がゼロからやるにはハードルが高すぎるのです。これが、僕が最初に経験した“目利きの難しさ”でした。

3. 中国輸入で学んだこと

その後、僕は中国輸入にシフトしました。ここでの学びは一言でいうと「ないものはない」というほど商品の幅が広いということです。タオバオやアリババを覗けば、日用品からマニアックなグッズまで、とにかく膨大な数の商品が並んでいます。分かりやすい例が100円ショップです。ダイソーやセリアを見れば「よくこんな商品まで作れるな」と驚くラインナップがありますが、そのほとんどが中国からの輸入品です。しかも最近では100円だけでなく300円、500円、700円と価格帯を広げ、3COINSを意識したような商品展開もしています。

これを考えると、個人が同じ土俵で勝負するのは非常に難しいと分かります。なぜなら、大手企業は大量発注で仕入れ値を極限まで下げ、全国展開の販売網を持っているからです。個人が数百個仕入れてネットで売ったところで、価格や供給力で太刀打ちできません。つまり「安い消耗品」や「ありふれた日用品」では勝負にならないということです。僕はこの現実を中国輸入を始めた初期段階で実感しました。そこで重要になるのが「ニッチ」「専門性」「高付加価値」という切り口です。つまり、大手がやらない領域を狙うことが、個人の輸入ビジネスにおける目利きのポイントになるわけです。

4. 利益が出やすかったジャンル

では実際に僕が扱って、利益が出たジャンルを挙げると、いくつかの傾向があります。
まずスポーツ用品です。僕は筋トレや運動が好きだったので、ダンベルやトレーニング器具、ヨガマットのような商品を仕入れて販売しました。自分が好きな分野だからリサーチが楽しく、さらに「どんな商品が需要があるか」が直感的に分かりました。結果として回転も早く、利益も出ました。

次にアダルトグッズです。これは一般的に参入障壁が高く、嫌悪感を持つ人も多いため、ライバルが少ない市場です。もちろん薬機法など法規制には注意が必要ですが、法に抵触しない範囲で扱えば、安定して売れるジャンルです。実際に僕も売上を伸ばせました。
さらにマニアックな例でいうと、人体模型や食品サンプルです。学校や病院、飲食店で需要があり、意外と競合が少ない。利益率も30〜40%を取れました。こうした「一見すると特殊だけど確実に需要がある商品」は、非常に美味しいジャンルだと分かりました。

最後にアウトドア用品。テントやキャンプギアなどは単価が高く、1件売れるだけで大きな利益になります。僕自身がアウトドア好きなので、扱っていて楽しい上に、ビジネスとしてもやりがいがありました。

5. 安価な消耗品 vs 高単価商品の戦い方

輸入ビジネスにおいて、「安いものを大量に売る」のか「高いものを少なく売る」のか、この二つの戦略があります。安価な消耗品は確かに売れやすいですが、利益を出すには膨大な数を販売しなければなりません。200円で仕入れたものを2000円で売っても、10個売れて2万円、100個売れて20万円。月商で考えると、倉庫管理や発送コストを含めてかなり大変です。しかもライバルも多く、価格競争に巻き込まれれば利益は一気に削られます。

一方で高単価商品は、1件売れるだけで大きな売上になります。例えば10万円のテントなら、1個売れて10万円。仮に粗利が3割でも3万円の利益になります。もちろん仕入れも輸送費も高く、在庫リスクも伴いますが、「数をさばかなくても売上が立つ」というのは個人にとって大きなメリットです。僕自身、安価な商品と高額商品を両方経験しましたが、今の結論としては「高単価商品の方が長期的に安定する」と思っています。

6. 最後に

20年の経験を振り返ると、輸入ビジネスで成功するために大切なのは次の二つに尽きます。

  1. 自分が興味を持てるジャンルを選ぶこと。

  2. 高単価で利益が取れる商品を扱うこと。

この二つの条件を満たすことで、モチベーションを維持しながらリサーチを続けられ、リスクとリターンのバランスを取りつつ成果を出せるのです。今後輸入を始めたい人には、ぜひこの視点を意識して商品選びをしてほしいと思います。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

-副業あるある, 貿易あるある