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ベトナムで暮らした3ヶ月が“人生2年分”に感じた話

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

 

こんな方におすすめ

  • 海外での起業・ビジネス経験に興味がある人
  • 価値観が揺らぐような「異文化の現場」を知りたい人
  • ベトナムや東南アジアでの暮らしに関心のある人

「ベトナムで暮らした」と言うと、よく「大変だった?」と聞かれます。
たしかに苦労もありました。でも、ふり返れば、濃すぎる3ヶ月でした。

今回は、韓国人経営者の“ボス”と一緒に住み、働いたあの時期の「日常」にフォーカスして、
食事・共同生活・ビジネスの話をスピンオフ的に書いてみたいと思います。
脚色はせず、リアルに。「あのときの暮らしって何だったんだろう」
──そんな気持ちを抱えながら、少しずつ言葉にしていきます。

自由のようで自由じゃない。管理される共同生活のリアル

当時、僕はベトナム・ハノイの少し外れにある高層マンションに住んでいました。
部屋は綺麗で広く、1階には唐揚げ屋やカフェ、コンビニもあるような便利な環境。
韓国人の“ボス”と、僕ら日本人スタッフが一緒に暮らしていたわけですが、
生活の主導権はすべてボスが握っていました。

買い物の中身も「これは買う、これはダメ」と指示があり、
キッチンではキムチ中心の韓国料理が食卓に並びました。
僕自身はキムチが嫌いじゃないのでストレスはなかったけれど、
自由なようでいて、ルールはがっちり決まっている。
まるで家族でも軍隊でもない、不思議な形の「共同体」でした。

振り返れば「ストレス少なめな監獄」だったのかもしれない。
ただ、その不自由さをどこか楽しんでいた自分も確かにいたのです。

スーパーの通路が人生を映す。海外生活の“余白”がくれた気づき

近くには、巨大なスーパーマーケットがありました。
日本のトライアルやコストコに近い雰囲気で、
カートを3台並べても通れる広い通路が印象的でした。

その場所は、ビジネスの中心地ではなく「これから発展していく」地域で、
高層マンションがどんどん建っていた。
ボスと一緒にスーパーへ行き、指示された食材を買い、料理する。
この日常の繰り返しが、次第に「自分の生活」になっていく感覚は不思議でした。

自由に見えて実は決められた範囲内──
そんな“コントロールされた自由”を、僕はスーパーの通路の広さに重ねて見ていました。
不満があるわけじゃないけど、どこか満たされきらない。
海外生活の本質って、案外こういう「余白」にあるのかもしれません。

「あのとき結婚してたら地獄だった」──ボスのマッチング計画と逃れた未来

ある日、突然ボスから呼び出され、「ベトナムの女性とくっつけようと思ってる」と言われました。
僕はそのとき独身。ボスは“現地定住プラン”を勝手に描いていたらしく、
彼女との結婚を前提に、ベトナム生活の延長線を強引に見せてきたのです。

その女性とは数回食事に行っただけで終わり、結果的に何も進みませんでした。
でも、今でも思うんです。「もしあのとき結婚してたら……」と。
きっと家族が爆増して、束縛されて、自由はゼロだったでしょう。

「ガンジガラメな未来」を未然に回避できたのは幸運でした。
自由を大切にしたい僕にとって、それは冗談抜きで“地獄”だったと思います。

時間が短いほど記憶は濃くなる──「3ヶ月が2年」に感じた理由

ハノイ郊外での3ヶ月は、まるで2年分くらいの濃さがありました。
日々新しいことの連続で、共同生活、買い物、ビジネスの現場、飲み会……
何気ない日常のひとつひとつが、今も鮮明に思い出せます。

ジムで汗を流し、現地工場を訪れ、たまに怒られ、笑いながら飯を食う。
全てが今よりも「生きている」感じがあった。
この濃密さは、時間の長さじゃない。密度だと思うんです。

“いつかまた行ってみたい”と思える場所があることは、
過去に意味を与えてくれる。あの生活は、今の自分の芯になっていると、
改めて感じています。

まとめ

たった3ヶ月。でも、濃かった。忘れられない。
ベトナムでの生活は、ビジネスでもなく、観光でもなく、
「リアルな人生の断片」だったように思います。

自由と制約、孤独と共同体、未来と現実──
いろんなものが交錯した生活は、今でも僕の中で生きています。

あのときの経験がなければ、今の自分はいない。
だからこそ、ちょっとだけ恥ずかしいけど、こうして書き残したくなったんです。

 

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中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

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