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商社志望”から“フォワーダー”へ──就活の本音と出会いが変えた私の進路

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

こんな方におすすめ

  • 商社やグローバル企業に漠然と憧れを持っている大学生
  • 見栄や世間体ではなく、「自分にとっての納得」を大切にしたい人
  • フォワーダーや国際物流に興味はあるが、よく知らない人

就職活動。多くの大学生にとって、それは人生の大きな分岐点です。自分がどんな社会人になりたいのか、どんな業界で働きたいのか、漠然とした理想と現実のはざまで揺れ動く中で、何を軸に進むべきかを悩むのは当然のこと。

私自身も、大学3年生の時に就活を本格的にスタートし、当初は「商社で働きたい」という思いを抱きながら、多くの企業を訪れ、説明会に足を運び、面接を受けていきました。最終的に私が就職先として選んだのは、通関業務を主とする国際物流企業、いわゆる“フォワーダー”と呼ばれる業界の会社でした。

ここでは、私の就職活動を振り返りながら、なぜフォワーダーを選んだのか、どんな視点で就活を進めていたのかを、今の就活生や社会人を目指す人たちに向けて書いていきたいと思います。


商社志望だった理由と“なんとなく”の就活スタート

就職活動を始めた当初、私は“商社に入りたい”と考えていました。理由はシンプルで、商社という言葉に「グローバル」「スケールの大きい仕事」「華やかさ」といったイメージが強く結びついていたからです。
英語を使って世界を舞台にビジネスを展開する。そんな漠然とした憧れがあったのは確かですが、今思えば、かなり表面的なイメージだけで就職先を決めようとしていた部分がありました。
本気で商社に入るためには、なぜ商社なのか、自分はどんな事業に関わりたいのか、どう貢献できるのかという点まで掘り下げなければなりません。しかし当時の私は、就活の本質に向き合えておらず、「とりあえず有名企業から順にエントリーする」ような姿勢でした。

説明会やエントリーは数をこなすものの、自己分析や企業研究は浅く、自分が働くことの意義や方向性は明確ではなかった。実際、「就職活動は受験と違って正解がない」ということに戸惑っていたのだと思います。


リクルートでのインターンと大学時代のアルバイト体験

そんな中で、私は大学在学中にインターンシップを経験しました。参加したのは株式会社リクルートでの短期インターン。内容は主に雑務でしたが、それでも「会社の中で働く」という経験は、非常に新鮮で刺激的でした。

また、1年生のころからずっと続けていたアルバイトも、自分の中での働くことの価値観を形成する要素でした。接客業から始まり、少し変わったジャンルの仕事にも挑戦し、ただお金を稼ぐだけではなく、「社会の一員として貢献する」「時間を切り売りして価値を提供する」といったことを体感できました。

この経験があったからこそ、就職活動の中で企業を見る目が少しずつ変わり、「待遇」や「知名度」だけでなく「自分がどう成長できるか」「どう役に立てるか」を考えるようになっていきました。


合同説明会と業界研究で得た“リアル”

大学3年の春、私は東京ビッグサイトなどで開催される大規模な合同企業説明会に何度も足を運びました。そこには名前を知っている大企業から、業界では有名だが一般的には無名な企業まで、数多くの企業がブースを構えていました。

説明会の会場では、パンフレットをもらい、説明を受け、ときには個別面談をしながら、自分がこれまで知らなかった業界について知る機会も増えていきました。例えば、商社と一口に言っても、総合商社と専門商社では全く仕事の性質が違うということ。美容業界といっても、メーカー、販売、企画、物流など多くの役割があるということ。

特に印象に残っているのは、自分が“なんとなく”の興味で足を運んだブースで、「この業界面白いかもしれない」と思える発見がいくつもあったことです。説明会の現場は、“就活をしている実感”が持てると同時に、自分がどんな価値観を持っているかを改めて見つめる良い機会でした。


興味の対象が広がった結果たどり着いた“フォワーダー”

商社志望だった私ですが、説明会を回る中で、美容業界や航空業界、さらには海外との関わりがある業界にも興味を広げていきました。特に、海外展開をしている企業は自然と目に留まり、航空会社や旅行代理店、貿易関連の企業に話を聞く機会も増えていきました。

その中で偶然出会ったのが、「フォワーダー」という存在でした。通関業務や貿易実務を担い、企業と企業の物流を支える裏方のような仕事。最初は地味に思えましたが、説明を聞くうちにその重要性に気づき、「これは自分の性格にも合っているかもしれない」と感じるようになりました。

特に惹かれたのは、表舞台ではないけれど、確実に世界を動かす“縁の下の力持ち”としての役割でした。自分の仕事が実際のモノの動きを支える。それが、商社が持つ“華やかさ”とは違うリアルな世界に感じられたのです。


内定と入社の決断:見栄ではなく“納得”を選んだ

最終的にフォワーダー企業から内定をもらい、入社を決意しました。商社の選考にも進んでいましたが、自分の本音と向き合ったとき、「自分がやりたいのは海外との関わりであり、それを地道に支える仕事であって、見栄えやブランドではない」と気づけたことが大きな転機でした。

また、選考を進めていく中で感じた、社員の雰囲気や会社の安定性、教育制度なども決め手の一つになりました。華やかではないかもしれない。でも、そこでなら確実に経験を積んで成長できると直感的に感じたのです。


まとめ:就活に“正解”はない。自分の納得がすべて

就職活動は、自分を知り、自分の未来を描くためのプロセスです。たとえ最初に志望していた業界とは違う結果になったとしても、自分自身が納得できる選択をしたのであれば、それは“正解”だと私は思っています。

有名企業や大企業にばかり目を向けるのではなく、自分がどんな働き方をしたいのか、何を重視するのかに耳を傾けることが大切です。私にとっての“正解”は、結果的にフォワーダーという選択肢にありました。

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中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

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