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2018年ベトナム滞在記:生活・工場・アジアの未来を感じた数ヶ月

中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

こんな方におすすめ

  • 海外での生活や仕事に興味があり「現地のリアル」を知りたい人
  • 工場視察や貿易に携わる予定があり、事前に雰囲気を掴みたい人
  • ベトナムや東南アジアに短期滞在してみたいと考えている人

2018年、私は数ヶ月間ベトナムに暮らすという貴重な経験をしました。それまで何度も出張や商談で訪れていたハノイでしたが、実際に生活してみると、旅行者や短期滞在では気づけない現地の息遣いや社会の変化を肌で感じることができました。韓国人パートナーたちと共に工場を回り、現地の生活に溶け込みながら学んだことは、今振り返っても大きな財産です。

 

本記事では、当時のベトナムでの暮らしと貿易を絡めた体験を、私自身の視点から詳しくお伝えしていきます。

ベトナムでの生活体験と街の変化

2018年の1月から数ヶ月間、私はベトナム・ハノイを拠点に生活をしました。それまでにも通算30回以上は訪れていた街でしたが、「住む」という形で滞在すると、観光や短期出張では気づけない街の表情が見えてきました。まず印象的だったのは、交通のカオスです。数えきれないほどのバイクが縦横無尽に走り、歩行者が道路を渡ることさえ一苦労。旅行の際にも感じたことでしたが、実際に生活する立場になると、その混雑は日常の大きなストレス源でもありました。しかし同時に、それがこの国の活気そのものを表しているようにも思えました。

また、数年前に訪れたときと比べ、街並みの変化にも驚かされました。韓国系デベロッパーによる高層マンション建設が急ピッチで進み、以前は低層住宅が目立ったエリアにも次々と新しいビルが建っていました。ベトナムの経済成長を目の当たりにし、東南アジアのダイナミズムを実感しました。生活面では、早朝から屋台で賑わうフォーやバインミーの食文化、独特の深い味わいを持つベトナムコーヒー、旧市街に張り巡らされた細い路地など、異国らしい日常に囲まれることができました。短期の滞在であっても、生活の中に現地の文化が自然に入り込んでくるのです。

もちろん不便な点もありました。ビザの取得や更新は煩雑で、数回の手続きを重ねる必要がありました。また、英語が通じにくい場面も多く、ベトナム語を多少覚えないと買い物や交渉で苦労することもありました。しかし、現地の人々の人懐っこさや親切さに助けられる場面も多く、文化や言語の壁を越えて支えられたことは印象に残っています。こうした日常生活の中での学びは、数ヶ月という短い期間であっても大きな意味を持つものでした。


韓国人パートナーとの工場巡りと貿易の現場

今回の滞在では、単なる生活者としてだけでなく、ビジネスに関わる経験も大きな学びになりました。私は韓国人パートナー4名と共に、割り箸工場やタオル工場などを視察し、実際の製造現場を歩きました。日本や中国の工場と比べると、まだ設備や工程において改善の余地は多く見られました。特に手作業に頼る部分が多く、品質管理のばらつきも課題として浮き彫りになりました。しかし一方で、作業員たちの表情には活気があり、若い労働力が国の発展を支えている姿を直に感じることができました。

工場の視察は、単なるビジネス上の確認ではなく、現地の産業構造を理解する大切な機会でもありました。ベトナムは当時から「世界の工場」として注目されていましたが、実際に現場を訪れると、輸出産業の成長と課題が混在していることがよく分かりました。たとえば、低コストで生産できる強みがある一方で、輸出基準を満たすための品質検査や納期管理にはまだ不安定さが残っていました。こうした現状を踏まえると、外資企業がどのように現地と連携し、改善を進めるかが今後の大きなテーマになると実感しました。

韓国人パートナーとの協働も印象深いものでした。彼らは投資意欲が旺盛で、マンション建設や製造業への参入を積極的に進めていました。日本人である私がその中に入ると、文化やビジネススタイルの違いを感じることもありましたが、それ以上に「アジアで共にビジネスを育てていこう」という熱意を共有できました。異なる国籍の仲間と現場を歩き、意見を交わすことは、自分の視野を広げるきっかけとなり、今でも強く心に残っています。


今振り返って思うことと再訪への思い

あの滞在からすでに5年以上が経ちました。コロナ禍の影響もあり、ここ数年は海外に出る機会がなく、気づけばパスポートも更新の時期を迎えています。振り返ると、2018年の数ヶ月は、ただ「住んだ」というだけではなく、ベトナムという国の息遣いを体感し、街の変化や貿易の現場に触れたかけがえのない時間でした。

街の記憶は鮮明です。朝の喧騒、工場で働く若者の姿、そして韓国系デベロッパーが建てた高層ビル。短い滞在であっても、ベトナムの「過去と未来」が交錯する瞬間を目にすることができました。生活の中で感じた不便さや課題も含めて、それはすべて「現地を生きる」という体験の一部でした。

今後、時間とお金に余裕ができれば、再びベトナムを訪れたいと強く思っています。次は、ハノイだけでなく、ホーチミンや他の都市も含めてより広く見てみたい。そして、以前の経験を踏まえて、新しい視点で現地の変化を追いかけたいのです。また、北京など中国の都市とも比較しながら、アジアの都市がどのように成長し続けているのかを実感したいとも考えています。

海外滞在は必ずしも長期である必要はありません。数ヶ月でも、その国の空気を吸い、人々と関わり、街の変化を自分の目で見ることで得られるものは計り知れません。私にとって2018年のベトナム滞在は、その後の人生を見つめ直す重要な経験でした。だからこそ、再び現地を訪れ、今度は「過去の延長線」ではなく「新しい発見」としてのベトナムを味わいたいと願っています。

まとめ

2018年の数ヶ月にわたるベトナム滞在は、単なる生活体験にとどまらず、街の変化、貿易の現場、そしてアジアでの人とのつながりを実感する濃密な時間となりました。ハノイの喧騒、韓国系企業の進出による街並みの変化、工場で働く人々の姿は、経済発展のスピードとその裏側にある課題を同時に感じさせました。また、韓国人パートナーとの協働は、国境を越えたビジネスの可能性を実感させ、自身の視野を広げる貴重な経験でした。短い期間でも現地に身を置くことで、机上の知識では得られない「生きた学び」が得られます。コロナ禍を経て海外に足を運ぶ機会が減った今だからこそ、当時の経験を振り返り、再びベトナムを訪れる未来を描くことは、自分自身の挑戦を見直す大切なきっかけとなっています。


FAQ

Q1. ベトナム滞在で最も印象に残ったことは?
A1. バイクの多さと街の喧騒です。混沌とした交通事情の中に、国全体のエネルギーと生活のリアルが詰まっていました。

Q2. 工場巡りで得た学びは?
A2. 若い労働力の活気と低コスト生産の強みを感じる一方で、品質管理や納期の安定性など課題も見られました。成長途上の姿を間近で理解できたことが大きな学びです。

Q3. 現地での生活の中で苦労した点は?
A3. ビザ取得の煩雑さ、交通事情、言語の壁などが主な課題でした。ただし、現地の人々の親切さに救われる場面も多くありました。

Q4. 韓国人パートナーとの協働はどのようなものでしたか?
A4. 文化やビジネスの進め方に違いはありましたが、「アジアでビジネスを育てる」という共通の目的のもと、熱意を共有する貴重な経験になりました。

Q5. 今後またベトナムを訪れたい理由は?
A5. 2018年からさらに発展した街の姿を自分の目で確かめたいこと、そして再び生活者の視点で現地に触れたいからです。

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中国輸入貿易15年 内山剛

中国輸入販売歴10年目。41歳。Amazon、楽天他サイトにて販売。最高月商280万円。

新卒で業界3位の通関業者(フォワーダー)入社。某大手ロボットメーカーや某超有名化粧品メーカー等担当し幅広い経験。

転職後、輸出担当やHP制作を経て独立。某大手100円ショップの卸売業者との縁があり、中国やベトナムに滞在し現在に至る。

詳しくは代表プロフィールをご覧ください。

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