こんな方におすすめ
- これから中国・欧米輸入ビジネスを始めたい初心者
- 発送代行業者選びで迷っている方
- 納期や通関トラブルに悩んでいる方
海外から商品を仕入れて販売する——。
輸入ビジネスを始めるときに多くの人が最初に直面するのが、「発送代行業者をどう選ぶか」という問題です。メーカーが直接日本に送ってくれない、送料が高くて利益が出ない、検品や通関でトラブルが起きる……。僕自身、過去20年以上にわたってヨーロッパ・アメリカ・中国のあらゆる仕入れ先を経験してきましたが、最終的に痛感したのは「発送代行の選び方一つで、ビジネスの収益も信頼も変わる」ということです。
特に中国輸入の場合、発送代行業者は欠かせない存在です。
一方で、ヨーロッパやアメリカの場合は直送も可能なケースが多く、「代行を使うべきか」「直送で行くべきか」の判断が悩みどころになります。さらに、空輸・船便・快速船便といった輸送方法の違いも複雑で、コスト構造を正しく理解しなければ、利益を出すどころか赤字に陥ることもあります。
この記事では、僕の実務経験をもとに「代行業者を選ぶ際の基準」「地域ごとの特徴」「実際のコスト感」「トラブルを防ぐチェックポイント」などを具体的に解説します。これから輸入ビジネスを始めたい人、または現在の仕入れルートに不安を感じている人にとって、再考のきっかけになれば幸いです。
目次
まず理解すべき「発送代行業者」とは何か
発送代行業者とは、海外のメーカーやECサイトで購入した商品を一旦預かり、検品・梱包・国際発送まで代わりに行ってくれる業者のことです。
日本に直接発送してくれないメーカーが多い中国では特に必須であり、輸入ビジネスの「裏方」として欠かせない存在です。
しかし、この代行業者にはさまざまなタイプがあります。
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購入代行型:メーカーへの発注・決済から行う
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発送専門型:中国国内倉庫で受け取り、発送のみ行う
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一括対応型:検品・撮影・梱包・通関・国内配送まで包括サポート
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初心者がやりがちなのは、「とにかく安い業者を選ぶ」こと。
けれども、代行費用をケチってトラブルになるケースは後を絶ちません。たとえば「検品なしで不良品が届く」「税関で止まる」「商品数が合わない」といったリスクは、安さ重視の業者ほど多い傾向があります。
代行業者は単なる“運び屋”ではなく、“パートナー”として考えるべき存在なのです。
ヨーロッパ・アメリカ輸入で代行を使うべきか?
ヨーロッパやアメリカの場合、多くのメーカーや販売店はDHL・FedEx・UPSなどの国際輸送サービスを利用しており、個人でも直接発送が可能です。僕が以前輸入していたコットンテントのブランドも、当時はDHLを使って2〜3日で日本に届いていました。
スピードと信頼性の面では抜群ですが、最大の課題は送料の高さです。特に大型商品は1個あたり1万円を超えることもあり、販売価格に上乗せせざるを得ません。
代行業者を使うことでまとめ発送によるコスト削減が期待できる場合もありますが、実際には手数料や再梱包費が重なり、トータルでは高くつくこともあります。また、欧米の代行業者は日本語サポートがない場合が多く、トラブル発生時の対応も難しいのが実情です。
結論として、ヨーロッパ・アメリカ輸入においては、**「高単価・少量商品は直送、低単価・大量仕入れは代行」**という使い分けがベストです。
輸送速度を重視するなら直送、送料を抑えたいなら代行、という判断基準を明確に持ちましょう。
中国輸入における代行業者の役割と選び方
中国輸入では、代行業者が“命綱”です。
ほとんどのサプライヤー(特に1688・タオバオなど)は国内配送しか対応しておらず、代行業者がなければ商品は日本に届きません。僕自身もこれまで、上海拠点の業者を中心に取引してきました。
代行業者を選ぶときのチェックポイントは以下の5つです。
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日本語でのサポート体制があるか
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検品・通関まで一括対応できるか
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薬機法や食品衛生法などの法令知識を持っているか
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見積もりが明瞭か(隠れ手数料がないか)
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レビュー・実績が公開されているか
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僕は一度、代行業者が違法商品を混載して発送したせいで税関に止められたことがあります。このようなトラブルは、法令知識に乏しい業者を使うと起きがちです。多少費用が高くても、「法令遵守×トラブル時の対応が早い」業者を選ぶことが最優先です。
空輸・船便・快速船便──輸送手段の最適化で利益を最大化
発送代行を活用するうえで重要なのが、輸送方法の最適化です。
「早い=正義」と思われがちですが、利益率を考えると必ずしもそうではありません。
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空輸(DHL・FedExなど):2〜3日で届くが、送料が高い。高単価・少量販売向け。
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船便(コンテナ・混載便):1〜2週間で到着。コストは低いが、納期管理が必要。
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快速船便:7〜10日で届き、コストとスピードのバランスが良い。
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僕がよく利用していたのは、この快速船便です。代行業者によっては独自のルートを確保しており、安定した輸送が可能でした。
「受注から発送までの平均リードタイムを把握し、自社の販売サイクルに合わせる」ことが、輸入ビジネス成功の鍵です。納期を顧客に正直に伝えることで、クレームを防ぎつつ信頼も築けます。
失敗から学んだ、代行業者選定の“落とし穴”と実践アドバイス
僕がこれまでに経験した失敗の中で、特に印象に残っているのは「安さだけで業者を選んだとき」です。
安い=悪いとは限りませんが、代行費用を抑えるために検品を省略した結果、商品不良や誤発送で顧客トラブルが発生。最終的に返金・再送対応で利益がすべて消えました。
また、業者によっては「税関で止まっても対応しない」「通関費用を上乗せして請求する」など、透明性の低い対応をするところもあります。
業者を選ぶときは、“どこまで責任を持ってくれるか”を必ず確認することが重要です。
そしてもう一つ大切なのが、「複数業者を比較・分散させる」こと。
中国輸入では1社に依存しすぎると、価格交渉力も下がり、リスク分散もできません。初期段階では2〜3社をテスト利用し、対応スピード・品質・報告の丁寧さなどを比較して、自社に最も合うパートナーを見極めましょう。
まとめ
発送代行業者は、単なる物流の中継点ではなく、「あなたの輸入ビジネスを支えるパートナー」です。ヨーロッパやアメリカでは直送を活用しつつ、中国輸入では信頼性の高い代行を選ぶ。このバランスが成功の鍵です。
重要なのは「最も安い業者」ではなく、「最も長く安心して取引できる業者」を選ぶこと。輸送方法や法令知識、サポート体制を含めて総合的に判断すれば、トラブルを避けつつ利益を安定させることができます。