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中国輸入で「検品済み」なのに不良品が届く理由|検品した=品質保証ではないカラクリとは?

中国輸入貿易15年 内山剛

**中国輸入・中国企業取引 約15年|元フォワーダー** 国際物流会社(フォワーダー)で通関・輸送に関わる実務を経験。その後、中国からの商品仕入れやAmazon・楽天市場などでの輸入販売に携わってきました。 仕入先選び、国際輸送、通関、輸入規制、知的財産、品質トラブルなど、**「仕入れる前に確認しておきたい中国輸入のリスク」**を中心に発信しています。 中国輸入の無料相談も受付中です。

こんな方におすすめ

  • 中国輸入で検品会社を利用しているのに不良品が減らない人
  • 中国工場や輸入代行会社へ検品を任せている人
  • 中国輸入を商品価格だけでなく品質管理まで含めて考えたい人

 

中国輸入をしていると、

「検品済みです」

「全数検品しています」

「出荷前に確認しています」

という言葉をよく目にします。

この言葉だけを見ると、

「それなら不良品は届かないだろう」

と思ってしまいます。

 

ところが実際には、

検品済みなのに傷がある。

部品が足りない。

組み立てられない。

サイズが違う。

色が違う。

動作しない。

パッケージが破損している。

といった問題が起こることがあります。

では、検品会社や工場が嘘をついているのでしょうか。

 

もちろん、そういうケースが絶対にないとは言えません。

しかし、それ以前に理解しておきたいことがあります。

それが、

「検品した」という言葉だけでは、何を確認したのか分からない

ということです。

例えば商品の外観を確認しただけでも「検品」です。

数量を数えただけでも検品です。

電源が入ることだけ確認しても検品です。

一方で購入者が求めているのは、

傷がない。

サイズが合っている。

必要な部品が揃っている。

正常に使える。

説明書も入っている。

パッケージもきれい。

という状態かもしれません。

 

つまり、

検品する側と販売する側で「良品」の定義が違えば、検品済みでも不良品は届きます。

中国輸入で重要なのは、

「検品してください」

と依頼することではありません。

何を。

どの基準で。

どこまで確認するのか。

そこまで決めることです。

今回は、中国輸入で「検品済みなのに不良品が届く」理由を、実務の視点から整理します。

 

「検品してください」だけでは検品項目が決まっていない

中国工場や輸入代行会社へ、

「発送前に検品してください」

と依頼したとします。

依頼した側としては、

商品全体を細かく確認してくれる

と想像するかもしれません。

ところが実際には、

外観を見る。

数量を確認する。

大きな破損がないかを見る。

程度で終わる場合があります。

これは必ずしも相手が手を抜いているという話ではありません。

 

そもそも、

何を不良品と判断するのか

が共有されていないからです。

例えば折りたたみ式の商品なら、

開閉できるか。

ロックできるか。

左右の高さが同じか。

部品が全部付いているか。

ネジ穴が合っているか。

使用時にぐらつかないか。

まで確認して初めて、購入者にとっての「正常な商品」になるかもしれません。

しかし検品担当者が、

傷がなければOK

という基準で見ていれば、組み立て不良は見逃されます。

 

アパレルなら、

縫製。

汚れ。

糸処理。

サイズ。

色。

ファスナー。

ボタン。

タグ。

があります。

家電なら、

電源。

充電。

ボタン操作。

表示。

付属品。

異音。

外観。

があります。

つまり商品ごとに見るべき項目は全く違います。

そのため中国輸入では、

「検品してください」

ではなく、

「この商品では、この10項目を確認してください」

まで指示した方が品質管理しやすくなります。

検品会社は、その商品の購入者ではありません。

日本でどのように販売し、購入者がどこを気にするのかまで自動的に理解してくれるわけではありません。

検品品質を上げる最初の一歩は、

検品会社を変えることではなく、検品項目を言語化すること

です。

 

外観検品と動作検品はまったく別の作業

不良品トラブルで多いのが、

見た目は正常だが、実際に使うと問題がある

というケースです。

例えば、

電源は入るが途中で止まる。

ネジは入っているが取り付けられない。

ファスナーは付いているが途中で引っ掛かる。

ポールは揃っているが接続できない。

パーツの数は合っているが寸法が違う。

こうした不良は、外から見るだけでは分かりません。

つまり、

外観検品

動作・機能検品

を分けて考える必要があります。

 

例えばテントなら、

生地に傷がないか

だけを見ても不十分です。

ポールが接続できる。

ジョイントが合う。

ファスナーが正常に開閉する。

必要な部品が揃っている。

実際に設営できる。

ここまで確認しなければ、完成品として使えるか分かりません。

ただし、すべての商品を毎回完全に組み立てるとなれば検品費用も上がります。

そこで、

全数で確認する項目。

一部の商品だけ確認する項目。

に分ける方法があります。

例えば、

全数で外観・数量・付属品確認。

一定数だけ実際に組み立てる。

ランダムで動作確認する。

という形です。

 

重要なのは、

検品レベルを上げれば上げるほどコストも時間も増える

ということです。

だからこそ、

どこで不良が起きると損失が大きいのか

を考えます。

外箱の小さな擦れより、

組み立て不能。

電源不良。

部品不足。

の方が致命的なら、そちらへ検品コストをかける。

検品は何でも細かく見ることではなく、

返品や事故につながりやすい部分へ検査を集中させる

という考え方が必要です。

 

量産品はサンプルと同じように作られるとは限らない

中国輸入では、発注前にサンプルを取り寄せることがあります。

サンプルを見る。

品質がいい。

問題なく動く。

見た目もきれい。

そこで量産を発注する。

ところが届いた量産品を見ると、

素材が少し違う。

色が違う。

部品が変わっている。

縫製が雑になった。

パッケージが簡素になった。

ということがあります。

ここで、

「サンプルを確認したのだから同じ商品が届くはず」

と考えているとトラブルになります。

サンプルと量産では、生産環境が違う場合があります。

材料ロットが違う。

部品の仕入れ先が違う。

量産用ラインが違う。

作業者が違う。

生産速度が違う。

こうした要因が加わります。

 

さらに工場によっては、量産時にコストを抑えるために部材を変更する場合もあります。

だからサンプル確認は、

商品を一度見たから終了

ではありません。

重要なのは、

「このサンプルを基準品にする」

という考え方です。

サイズ。

重量。

素材。

色。

パーツ。

仕様。

パッケージ。

これらを記録しておきます。

そして量産後の検品では、

「問題がないか」

だけではなく、

「承認したサンプルと同じか」

を確認します。

 

可能であれば、

サンプル写真。

寸法表。

仕様書。

部品一覧。

を検品担当者にも共有します。

すると、

工場側の「問題ありません」

ではなく、

事前に決めた基準との比較

で良品・不良品を判断できるようになります。

 

検品会社にも「その商品の正解」は分からない

第三者検品会社を使えば安心。

この考え方も注意が必要です。

検品会社は、品質管理の専門家ではあります。

しかし、

その商品の設計者ではありません。

販売者でもありません。

購入者でもありません。

そのため、

何をもって不良とするか

は依頼側から伝えなければ分からない部分があります。

例えば商品に2mmの傷があったとします。

高級インテリア商品なら返品につながる傷かもしれません。

工業用部品なら使用に問題がなく、許容範囲になる可能性もあります。

縫製の糸が1cm出ている。

化粧箱に小さな凹みがある。

色にわずかな差がある。

どこまでを不良品とするのかは商品によって違います。

ここで必要になるのが、

OK例。

NG例。

です。

 

文章だけで、

「傷がないこと」

と書くより、

この程度はOK。

この傷はNG。

と写真で示した方が圧倒的に伝わりやすくなります。

中国の工場や検品会社とやり取りするときは、

抽象的な日本語表現を避ける

ことも重要です。

例えば、

「きれいにしてください」

「しっかり検品してください」

「丁寧にお願いします」

では基準になりません。

 

代わりに、

傷は○mm以上NG。

部品A・B・Cが各1個必要。

ファスナーを3回開閉する。

重量○g±○g。

寸法○cm±○mm。

というように、数字や動作へ変えます。

検品会社の能力が高くても、

基準が曖昧なら判定も曖昧になります。

検品品質は、検品担当者だけで作るものではありません。

発注側がどこまで「正解」を定義できるか

によって大きく変わります。

 

不良品が届いたら「誰が悪いか」より検品項目を1つ増やす

不良品が届くと、

工場が悪い。

検品会社が悪い。

輸入代行会社が悪い。

と責任の所在を考えたくなります。

もちろん明確な作業ミスであれば、相手へ改善や補償を求める必要があります。

ただ、長期的に中国輸入を続けるなら、

今回の不良を次回どう防ぐか

まで考えた方が重要です。

例えば、

ネジが足りなかった。

なら、

「付属品の個数確認」

を検品項目へ追加します。

ポールが変形していた。

なら、

「ポールの直線性・接続確認」

を追加します。

色違いが混ざっていた。

なら、

「色番号と現物比較」

を追加します。

商品の寸法が違った。

なら、

「ランダム○個を実測」

を入れます。

 

つまり不良品は、

次回の検品マニュアルを改善する材料

にもなります。

中国輸入を長く続けると、最初から完璧な検品表を作ることは難しいと分かってきます。

商品を販売する。

問題が発生する。

原因を調べる。

検品項目へ追加する。

次回ロットで確認する。

この繰り返しによって、その商品専用の品質管理基準が出来上がっていきます。

そして同じ問題が何度も続く場合は、

検品方法だけではなく、

工場そのものを見直す必要があります。

不良率が高い。

指示を守らない。

勝手に仕様変更する。

改善要求をしても変わらない。

こうした工場を、検品だけで完全に補うのは難しいからです。

 

検品は、

悪い工場から完璧な商品を作り出す作業

ではありません。

良品と不良品を見分け、問題を量産前後で発見するための工程です。

製造品質そのものを改善するには、工場側の協力も必要になります。

 

まとめ|「検品済み」という言葉ではなく、検品表の中身を見る

中国輸入で品質トラブルを減らしたいなら、

「全数検品しています」

という言葉だけで安心しないことです。

確認したいのは、その一段下です。

何を見たのか。

何個見たのか。

どの動作を試したのか。

何をNGにしたのか。

基準となるサンプルはあるのか。

不良が見つかった場合、どう処理するのか。

ここまで明確になるほど、検品は単なる「確認作業」から品質管理へ近づいていきます。

中国輸入では、不良品を完全にゼロにすることは簡単ではありません。

 

だから重要なのは、

問題が起きたときに同じ不良を次のロットへ持ち越さない仕組み

を作ることです。

一度発生した不良を写真で残す。

原因を確認する。

NG基準へ追加する。

次の量産で検査する。

こうして検品項目を育てていく。

すると、商品を扱う期間が長くなるほど品質管理の精度も上がっていきます。

「検品したのに不良品が届いた」

で終わるのではなく、

「この不良を次から何の項目で止めるか」

まで考える。

 

中国輸入で本当に必要なのは、検品会社へ丸投げすることではありません。

自分の商品について、

何が良品で、何が不良品なのかを誰でも同じように判断できる状態

を作ることです。

それができて初めて、「検品済み」という言葉に実際の意味が生まれてきます。

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