こんな方におすすめ
- 1688やAlibabaなどで仕入れる商品を探している人
- 「中国から安く仕入れれば利益が出る」と考えている人
- 中国輸入で大量仕入れを検討している人
中国輸入を始めようとするとき、多くの人が最初に心配するのは、
「仕入れた商品が売れなかったらどうしよう」
ということではないでしょうか。
確かに、これは非常に大きな問題です。
10万円分の商品を仕入れて、ほとんど売れなければ、手元の現金は在庫に変わってしまいます。
そのため、中国輸入について調べてみると、
「売れる商品の探し方」
「利益商品リサーチ」
「Amazonで売れる商品」
「利益率30%以上の商品を見つける方法」
といった情報が非常に多く出てきます。
もちろん、商品リサーチは重要です。
売れない商品ばかり仕入れていては、ビジネスとして成立しません。
しかし、私自身が約15年間、中国輸入や海外取引に関わってきて感じるのは、
中国輸入で本当に怖いのは「商品が売れないこと」だけではない
ということです。
むしろ、
売れる・売れない以前の段階で失敗してしまうことの方が怖い
と感じることがあります。
中国では普通に販売されている商品でも、日本へ輸入するときに問題になる場合があります。
無事に輸入できたとしても、日本国内で販売する段階で確認しなければならないルールもあります。
さらに、
品質。
不良品。
国際送料。
関税。
在庫。
仕入先との認識の違い。
納期。
梱包。
こうした問題は、商品リサーチツールの数字だけを見ていても分かりません。
今回は、中国輸入を15年続けてきた中で感じた、
「売れないこと以上に怖い中国輸入のリスク」
について、私なりの経験も踏まえながら書いてみたいと思います。
中国輸入で「売れない商品」はまだ対処できる
まず最初に言っておきたいのは、
商品が売れないことが大した問題ではない、という意味ではありません。
当然ながら、仕入れた商品が売れなければ困ります。
在庫は残りますし、資金回収もできません。
次の商品を仕入れるためのお金も減ってしまいます。
ただし、商品そのものに問題がなく、日本国内で普通に販売できる状態なのであれば、まだ対策できる余地があります。
例えば、
- 販売価格を下げる
- 商品ページの文章を改善する
- 商品写真を撮り直す
- 商品タイトルや検索キーワードを変更する
- 広告を出して露出を増やす
- Amazon以外の販売場所を試す
- 楽天やYahoo!ショッピング、自社ECなどへ広げる
- 複数商品をセット販売する
- プレゼントや特典を付ける
- アウトレット商品として処分する
といった方法があります。
当然、最初に想定していた利益率より下がる可能性はあります。
最悪の場合、利益ゼロや赤字で在庫を処分することもあるでしょう。
それでも、
商品を販売できる状態にある
のであれば、最後は値段を下げるなどして現金化できる可能性が残っています。
例えば5,000円で売る予定だった商品が、3,000円なら売れるかもしれません。
それでも売れなければ2,000円。
さらに処分価格まで落とす。
利益はなくても、在庫を現金に戻すことはできます。
私が中国輸入でそれ以上に怖いと思っているのは、
そもそも予定していた方法で商品を売ることができない状態になること
です。
これは値下げをすれば解決する、という問題ではありません。
中国で売っているから日本でも売れる、ではない
中国のECサイトを見ていると、本当に多くの商品があります。
1688などを見ていると、
「こんなものまで売っているのか」
と思うことも珍しくありません。
しかも日本と比べると非常に安い。
日本では3,000円、5,000円程度で販売されているような商品が、中国では数百円程度で見つかることもあります。
すると当然、
「これを中国から仕入れて日本で売れば儲かるのではないか」
と思います。
中国輸入を始める最初のきっかけは、大体ここではないでしょうか。
私自身も、海外商品の価格を見る面白さはよく分かります。
しかし、中国輸入ではここで一度立ち止まることが重要です。
なぜなら、
中国国内で普通に販売されていることと、日本へ輸入して普通に販売できることは全く別の問題だからです。
中国には中国のルールがあります。
日本には日本のルールがあります。
商品によっては輸入するときに確認が必要になるものがあります。
さらに、輸入自体はできても、日本国内で販売する際に一定の基準や表示などが必要になる商品もあります。
また、
「デザインが格好いい」
「有名商品に似ている」
という理由で仕入れた結果、商標や意匠など知的財産権の問題が出てくる可能性もあります。
つまり、
中国から購入できる
日本へ送ってもらえる
日本で問題なく販売できる
この3つは、それぞれ別の話です。
ここを一緒に考えてしまうと危険です。
特に初心者の場合、
「Amazonで誰かが販売しているから大丈夫だろう」
「メルカリで普通に売っている人がいるから大丈夫だろう」
と考えてしまうことがあります。
しかし、誰かが販売していることは、その商品について何の問題もないことを保証するものではありません。
商品を見つけた瞬間に、
「いくらで売れるか」
だけを考えるのではなく、
そもそも扱って問題のない商品なのか
を確認する必要があります。
一番避けたいのは、大量仕入れした後に問題が発覚すること
中国輸入で私が特に避けたいと思っているのが、
商品を大量発注した後に問題が発覚すること
です。
例えば、中国からサンプルを1個だけ取り寄せて、
「この商品は自分が想定していたものと違うな」
「これは日本で売るには少し難しいな」
と分かったのであれば、損失はそれほど大きくありません。
サンプル代と送料を勉強代として考えることもできます。
しかし、
100個。
500個。
1,000個。
と発注してから問題が分かると、一気に話が変わります。
仮に商品原価が500円だとしても、
1,000個仕入れれば商品代だけで50万円です。
そこへ国際送料やその他の費用が加わります。
大型商品や重量商品であれば、送料だけでもかなりの金額になることがあります。
そこで初めて、
「商品写真と実物が違った」
「思ったより品質が悪かった」
「日本で販売するには追加対応が必要だった」
「パッケージや表示を変更しなければならない」
「そもそも販売方法を見直さなければならない」
という問題が出てきたらどうでしょうか。
すでにお金は支払っています。
商品も作られています。
場合によっては日本へ向けて発送されています。
この段階になってから、
「やっぱりやめます」
とは簡単には言えません。
中国輸入で重要なのは、
大きく仕入れて大きく稼ぐことだけではありません。
むしろ、
取り返しのつかない大きな失敗を避けること
の方が重要です。
特に資金がそれほど多くない個人事業の場合、一度の50万円、100万円の失敗が事業そのものを止めてしまう可能性があります。
だから私は、
少量。
サンプル。
小ロット。
テスト販売。
この順番を非常に大切だと考えています。
中国輸入では品質問題も想像以上に大きい
中国輸入を長くやっていると、商品の品質について考えさせられる場面もあります。
ここで誤解してほしくないのは、
「中国の商品は全部品質が悪い」
という話ではありません。
中国には世界中へ商品を輸出している優秀な工場もたくさんあります。
日本で有名な商品の中にも、中国で製造されているものは数多くあります。
問題なのは、
こちらが求めている品質と、仕入先が考えている品質が同じとは限らない
ということです。
商品ページの写真では非常にきれいに見える。
商品説明を読む限り仕様にも問題がない。
サンプル写真を送ってもらっても大丈夫そう。
しかし、実際に日本へ商品が届いてみると、
「思っていたものと違う」
ということがあります。
例えば、
- 色味が写真と違う
- サイズが数ミリ、数センチ違う
- 材質が想像より薄い
- 縫製が雑
- 接着部分が弱い
- 傷や汚れがある
- パッケージが潰れている
- 梱包が想像以上に簡素
- 一部の商品が破損している
- ロットごとに品質にバラつきがある
といったことです。
こちらから見れば、
「これは不良品だろう」
と思うものでも、仕入先側では、
「この程度は正常品です」
という認識の場合もあります。
ここに海外取引の難しさがあります。
だからこそ、
「きれいな商品を作ってください」
「品質を良くしてください」
という曖昧な指示ではなく、
どこまでを良品とするのか。
どの程度なら不良品と判断するのか。
サイズの許容範囲はどこまでなのか。
色はどのサンプルを基準にするのか。
具体的に伝えることが重要になります。
特に大量発注の場合、私は商品ページを信用すること以上に、
実際の商品を自分の目で確認すること
が重要だと考えています。
サンプル代や送料をもったいないと思うかもしれません。
しかし、数十万円、数百万円の仕入れで失敗することを考えれば、サンプル確認に使う数千円、数万円はむしろ必要経費です。
不良品が届いたときも中国輸入は終わりではない
海外から商品を仕入れていると、不良品が発生することはあります。
これは中国輸入に限ったことではありません。
どの国から仕入れても、製造を伴う以上、一定の不良率が発生する可能性はあります。
重要なのは、
不良品をゼロにすることだけではなく、不良品が出た後にどう処理するか
です。
例えば商品が100個届いて、そのうち10個に問題があったとします。
ここで単純に、
「不良品だから返金してください」
と伝えるだけでは、話が進まないことがあります。
仕入先からすれば、
「どの商品ですか?」
「何が問題ですか?」
「写真を送ってください」
「動画で確認させてください」
という話になります。
そのため、
- 不良部分の写真を撮影する
- 動画で状態を説明する
- 不良品の数量を数える
- 箱や商品の番号を記録する
- どの工程に問題があるのか整理する
といった作業が必要になります。
そして解決方法についても、
- 不良品分を再製作してもらう
- 新しい商品を再送してもらう
- 部品だけ送ってもらう
- 一部返金をしてもらう
- 次回発注時に値引きしてもらう
- 次回の商品数を増やして補填してもらう
など、さまざまな方法があります。
中国輸入を長く続けるのであれば、
「問題が起きた。もうこの会社とは取引しない」
だけではなく、
問題が発生したときに、どこまで現実的な落としどころを作れるか
という交渉力も必要になります。
海外取引では、トラブルを完全になくすことは難しいです。
だから私は、
トラブルが起きないことを祈るより、起きたときにどう処理するかを考えておくこと
の方が大切だと思っています。
「商品が安い」と「利益が出る」は全く違う
中国輸入初心者が特に注意したいのが、原価計算です。
中国の商品サイトを見ていると、本当に安く感じます。
例えば、
仕入価格300円。
日本での販売価格2,000円。
この数字だけを見れば、
「1個売れば1,700円も利益が出る」
ように見えます。
100個売れば17万円。
1,000個売れば170万円。
そう考えると夢があります。
しかし、実際の輸入ビジネスではそんな単純な計算にはなりません。
中国から日本へ商品を持ってくるまでには、商品代以外にもさまざまなお金がかかります。
例えば、
- 商品代金
- 中国国内送料
- 国際送料
- 関税など輸入時に発生する費用
- 輸入代行業者の手数料
- 検品費用
- 梱包費用
- 日本国内の送料
- ECサイトの販売手数料
- 決済手数料
- 倉庫代
- 梱包資材
- 広告費
- 不良品
- 返品
- 売れ残り
などです。
特に見落とされやすいのが国際送料です。
小さくて軽い商品であれば送料の影響は比較的小さくできます。
しかし、大型商品や重量商品になると話は変わります。
商品そのものは安いのに、
「送料を入れたら全然安くなかった」
というケースもあります。
また、中国から日本へ届いた時点で終わりではありません。
そこから購入者のところまで送る国内送料もあります。
ECモールで販売すれば販売手数料も発生します。
返品が発生すれば往復送料などの負担も出てきます。
だから、
「中国で安い商品を見つけた=儲かる商品を見つけた」ではありません。
中国で300円の商品を見つけたときに見るべきなのは300円という数字ではなく、
最終的にお客様へ販売したあと、手元にいくら残るのか
です。
売上ではなく利益。
仕入価格ではなく総原価。
ここを間違えると、
「商品は売れているのに、なぜかお金が残らない」
という状態になります。
現金が在庫に変わる怖さ
中国輸入を長く続けるうえで、個人的に非常に重要だと思っているのが在庫です。
在庫は商品であると同時に、
自分のお金が形を変えたもの
でもあります。
例えば手元に50万円あるとします。
現金として持っている限り、その50万円は自由に使えます。
新しい商品を仕入れることもできます。
広告を出すこともできます。
何かトラブルがあったときの資金にもできます。
しかし、50万円分の商品を仕入れた瞬間、そのお金は、
「50万円分の商品」
に変わります。
商品が順調に売れれば問題ありません。
売れるたびに現金へ戻ってきます。
さらに利益が乗れば、資金は増えていきます。
しかし売れなければ、現金には戻りません。
倉庫や自宅に商品が積まれているだけです。
しかも在庫には、時間とともに価値が下がるものもあります。
季節商品。
流行商品。
競合商品の登場。
価格競争。
パッケージの劣化。
モデルチェンジ。
市場環境が変われば、仕入れたときと同じ価格で販売できるとは限りません。
さらに、
品質に問題がある。
季節が終わった。
競合が大幅値下げした。
販売ページが停止された。
広告費が高騰した。
想定より市場が小さかった。
という問題が起これば、資金回収にはさらに時間がかかります。
だから中国輸入では、
「利益率30%の商品だから良い」
だけではなく、
その商品を何日で売り切れるのか
という資金回転も非常に重要になります。
利益率50%でも1年間売れない商品より、
利益率20%でも毎月資金が回る商品の方が事業として安定する場合があります。
中国輸入では売上や利益率だけを見るのではなく、
自分の資金がどれくらいの期間、在庫として固定されるのか
まで考える必要があります。
経験があっても「絶対売れる商品」は分からない
中国輸入を15年続けていれば、
「どの商品が売れるか全部分かるのではないか」
と思われるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。
15年関わっていても、
「この商品は絶対に売れる」
と100%判断することはできません。
むしろ長くやればやるほど、
商売には絶対がない
ということを感じます。
自信を持って仕入れた商品が思ったほど売れないこともあります。
反対に、
「そこまで期待していなかったけれど、とりあえず少量仕入れてみよう」
と思った商品が意外と売れることもあります。
売上には、
市場規模。
競合。
価格。
季節。
広告。
写真。
商品ページ。
口コミ。
SNS。
販売開始のタイミング。
景気。
為替。
さまざまな要素が関係します。
去年売れた商品が今年も売れるとは限りません。
自分が良いと思った商品を、お客様も良いと思ってくれるとも限りません。
だから私は、
絶対に売れる商品を当てようとすること
よりも、
予想が外れても大きな損失にならない仕入れ方をすること
の方が重要だと思っています。
100万円を一つの商品に突っ込むのではなく、まず10万円で試す。
1000個仕入れる前に100個で反応を見る。
さらに可能であれば、もっと小さな数量から始める。
そこで売れれば追加発注する。
中国輸入は海外から仕入れるため、国内仕入れよりも追加発注に時間がかかることがあります。
そのため大量に持ちたくなる気持ちも分かります。
しかし、
在庫切れになるリスクより、大量在庫を抱えるリスクの方が大きい場面もある
ということは覚えておいた方がいいと思います。
私なら「売れるか」より前に確認する
新しい商品を中国で見つけたとき、
「これ、何個売れるだろう?」
「Amazonで月何個売れているだろう?」
「利益率はいくら取れるだろう?」
と考えるのは自然です。
しかし私は、それだけで仕入れを決めることはおすすめしません。
私なら、売上予測より前に確認したいことがあります。
例えば、
- 日本へ問題なく輸入できる商品なのか
- 日本国内で販売するうえで確認すべきルールはないか
- 商標や意匠など知的財産権上の問題はないか
- 実際の商品品質は十分なのか
- サンプルを確認できるのか
- 自分が求める仕様を工場へ正確に伝えられるのか
- 国際送料を含めても利益が残るのか
- 不良品が一定数出ても利益が残るのか
- 仕入先がトラブル時に対応してくれるのか
- 売れなくても処分できる数量なのか
- 追加発注するときの納期はどれくらいなのか
といった部分です。
そのうえで初めて、
「この商品は売れるのか」
を考えます。
極端に言えば、
月に1000個売れる商品を見つけても、自分が問題なく輸入・販売できなければ意味がありません。
反対に月100個しか売れない市場でも、
競合が少なく、
利益がしっかり残り、
安定して仕入れられ、
トラブルも少なく、
長期間販売できるのであれば、
十分に良い商品になる可能性があります。
中国輸入では、
売れる商品を見つけることと同時に、仕入れる前にリスクを潰しておくこと
が非常に重要です。
15年続けて感じるのは「儲けること」より「退場しないこと」
中国輸入を始める人の多くは、
「月10万円稼ぎたい」
「月30万円稼ぎたい」
「独立したい」
という目標を持っていると思います。
それ自体は悪いことではありません。
ビジネスである以上、利益を出すことは必要です。
しかし、15年間関わってきて感じるのは、
一度大きく儲けることより、退場しないことの方が重要
だということです。
一つの商品が大当たりして100万円利益が出ても、その後の仕入れで150万円失えば意味がありません。
逆に、一商品あたりの利益はそれほど大きくなくても、
仕入れを間違えない。
在庫を持ちすぎない。
トラブルを早く処理する。
少しずつ利益を積み重ねる。
それを何年も続けられれば、立派な事業になります。
中国輸入では、
「どの商品なら一発当てられるか」
という発想より、
どうすれば致命傷を避けながら続けられるか
という発想を持つ方が、長期的には重要だと思っています。
まとめ|中国輸入で怖いのは「売れないこと」だけではない
中国輸入で商品が売れない。
もちろん、これは大きなリスクです。
仕入れた商品が売れなければ在庫が残り、資金も回収できません。
しかし、私が15年中国輸入に関わってきて感じるのは、
それ以上に避けたいのが、
大量に仕入れた後に「予定していた形で販売できない」と気づくこと
です。
輸入するときの問題。
日本国内で販売する際の問題。
品質。
不良品。
仕入先との認識の違い。
国際送料。
原価計算。
在庫。
資金繰り。
中国輸入には、売れ筋ランキングや商品リサーチツールだけでは見えてこないリスクがあります。
だからこそ、
仕入れる前に確認する。
最初は小さく仕入れる。
可能ならサンプルを見る。
国際送料まで含めた原価を計算する。
不良品が出る前提でも数字を見る。
売れなかった場合の出口まで考える。
そして、
失敗しても致命傷にならない範囲から始める。
私はこれが非常に重要だと思っています。
中国輸入では、
「どうすれば一気に儲かるか」
を考えることも必要です。
しかしその前に、
「どうすれば大きく失敗しないか」
を考える。
そして、
一度の仕入れで勝とうとするのではなく、何年も続けられる仕組みを作る。
15年間中国輸入に関わってきた中で、最終的に一番大切なのはここではないかと感じています。